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若井田理学株式会社 私生活の中での真空技術

皆さんが知らない間に使用している身近な「真空」技術を紹介したいと思います。

「真空」とは大気圧より低い圧力の気体で満たされてる状態を言います。つまり、大気圧より低い圧力で、気体分子がほんの僅かでも存在するのであれば、それは「真空」となるのです。一番理想的な真空は絶対真空ですが、それは地球上では実在しない真空です。どんなに真空に引いても、気体分子が全て無くなることはありません。真空状態には、その真空領域により「低真空」「中真空」「高真空」「超高真空」に分類されます。 真空状態が良くなるにつれて低~超高真空となっていきます。

「低真空」はエベレスト山頂8,848mや飛行機の飛んでいる高度10,000mなどの真空状態が それにあてはまります。「中真空」は低真空より低くなるので 現在薄くなりつつあるオゾン層近辺の真空状態です。「高真空」はオーロラが発生している空間です。「超高高真空」はスペースシャトルや衛星などが飛行している空間となります。

真空技術とは、限られた空間を真空にすることによって様々な品物を製作する技術の事を言います。例えば、最近ですと、冷蔵庫で使われている真空チルドや、掃除機を使って布団をぺしゃんこにする真空パックの技術等で、「真空」という文字が身近になってきているのが解ると思います。

また ほとんどの方が一日一回は 目にするのであろう鏡。鏡はガラスを洗浄し、洗浄したガラスに真空蒸着をする事によって成形されています。蒸着させたい製品を入れた容器を真空状態にして、特殊金属を熱して蒸発させ、蒸着させたい製品に薄膜形成によって付着させます。この、ピラニ真空計や電離真空計を使用して行われる真空蒸着技術はほかの用途でも使われており、車のルームミラー、サイドミラー、スキー、スノーボードのゴーグルへのコーティング等もこの真空蒸着技術によって行われています。

氷が溶けにくい事で有名な真空タンブラーも名前の通り真空の断熱作用を使って氷を溶けにくくしています。真空タンブラーは断面が1構造ではなく、2構造になっており、断面の間を真空にすることによって、容器内の熱が奪われる事を防ぎ 氷を溶けにくくします。

実は、私達の身近な品物にこそ、知らぬ間に様々な真空技術が使われ、製作されているのです。「真空」という単語は普通の私生活では非日常的な言葉かもしれません。ですが私達は知らず知らずの内に真空技術によって製作された物に何らかの形で触れているのです。「真空」はとても身近な単語だと私は思っております。

そして、その真空技術には、ピラニ真空計や電離真空計を始めとした真空計測器は必要不可欠な製品なのです。

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